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日本の長期エネルギー戦略考察に格好の、森川潤氏著『グリーン・ジャイアント 脱炭素ビジネスが世界経済を動かす』:勝手に新書-11

少しずつ、よくなる社会に・・・

先日、当<勝手に新書シリーズ>で投稿した
ダニエル・ヤーギン氏著『新しい世界の資源地図』:勝手に新書-9(2021/5/2)。

その書、ダニエル・ヤーギン氏著・黒輪篤嗣氏訳の『新しい世界の資源地図 エネルギー・気候変動・国家の衝突』(2022/2/10刊・東洋経済新報社)を読んだあと、昨年11月下旬に、他の書とまとめ買いし、そのままにしていた内の1冊、森川潤氏著『グリーン・ジャイアント 脱炭素ビジネスが世界経済を動かす』(2021/9/20刊・文春新書)を、ようやく4月下旬に読み終えました。


その森川氏の書の中で、ダニエル・ヤーギンの主張と『The New Maps』を含む彼の著書についても紹介していました。
ダニエル・ヤーギンの知名度と評価、グローバル社会におけるエネルギー問題の第一人者であることを考えれば当然ではありますね。
そしてまた当然ですが、この『グリーン・ジャイアント』においては、『The New Maps』はまだ未訳とされていました。

この『グリーン・ジャイアント 脱炭素ビジネスが世界経済を動かす』の構成は、次のようになっています。

グリーン・ジャイアント 脱炭素ビジネスが世界経済を動かす』構成

はじめに
第1章 カーボンニュートラル狂騒曲
 ・ギリギリだった「脱炭素宣言」
 ・なぜ、2050年カーボンニュートラルなのか
 ・アメリカは本気なのか
 ・欧州が付ける炭素の「お値段」
 ・世界最大の排出国、中国の闇と光
 ・日本が持つ「切り札」
第2章 グリーン・ジャイアント
 ・秘密企業ネクステラ
 ・グリーン・ジャイアントの共通点
 ・石油がピークを迎えた日
 ・太陽光が「10円」を切るまで
 ・世界を席巻する北欧企業
 ・日本に突如生まれた巨大市場
 ・洋上に先鞭をつけた唯一の企業
 ・日本から巨人は生まれるのか
第3章 気候変動とマネー
 ・商社vs.グレタさん
 ・セイ・オン・クライメート(Say on Climate)
 ・そのとき900兆円が動いた
 ・日本の年金150兆円の行方
 ・GAFAMの本気
第4章 テスラとトヨタ
 ・テスラの一人勝ち
 ・100年に一度の革命
 ・欧州が仕掛ける包囲網
 ・トヨタの「プリウス後」
 ・EVでも覇権を狙う中国
 ・アップルカーが鳴らす号砲
第5章 気候変動とイノベーション
 ・牛のゲップを止めろ
 ・品切れ続出、北欧発オートリー
 ・「水素は国家なり」
 ・空気から炭素を取り出せ
 ・ゲイツと次世代原発
第6章 Z世代と資本主義の「次」
 ・「本命」はバイデンではない
 ・気候変動とZ世代
 ・緑のニューディールと社会主義
 ・ステークホルダー資本主義
 ・市場の失敗と「グリーンウォッシュ」
第7章 日本に残された勝ち筋
 ・なぜ脱炭素後進国になったのか
 ・石炭しか頼れなくなった
 ・「アンモニア」という奇貨
 ・原発の「落とし前」をつけよ
おわりに

ダニエル・ヤーギンの『新しい世界の資源地図 エネルギー・気候変動・国家の衝突』では、
第1部 米国の新しい地図
第2部 ロシアの地図
第3部 中国の地図
第4部 中東の地図
という地政学的な視点での論述のあと、

第5部 自動車の地図
 第37章 電気自動車 
 第38章 自動運転車
 第39章 ライドヘイリング
 第40章 新しい移動の形
第6部 気候の地図
 第41章 エネルギー転換 
 第42章 グリーン・ディール
 第43章 再生可能エネルギーの風景
 第44章 現状を打破する技術
 第45章 途上国の「エネルギー転換」
 第46章 電源構成の変化


というように展開しています。
上述の『グリーン・ジャイアント 脱炭素ビジネスが世界経済を動かす』での展開内容をこれに重ね合わせて読むと、非常に興味深いものがあります。

そして何より、<第6章 Z世代と資本主義の「次」><第7章 日本に残された勝ち筋としてのまとめ・提言に着目すべきでもあります。

とはいうものの、長期化しつつあるロシアによるウクライナ侵攻による、エネルギー事情は、従来のゼロカーボンまっしぐらというグローバル・デファクト・スタンダード理念に、ゆらぎ、あるいは見直しが必要になるかのような状況を招きつつあることにが明らかです。

その新たな視点・動向を加えつつ、『The New Maps』新しい世界の資源地図 エネルギー・気候変動・国家の衝突』と本書『グリーン・ジャイアント 脱炭素ビジネスが世界経済を動かす』を参考にして、https://2050society.com で、引き続き日本の2050年に向けてのエネルギー問題、エネルギー戦略について考えていくべく、
<2022年に考える、日本の2050年エネルギー・資源社会への道筋>と題したシリーズを始めています。
進むデータセンターの大幅省エネ技術開発:上場企業は、エネルギー自社自給自足状況と省エネ情報の開示を(2022/5/2)

そのシリーズの2回目に、『グリーン・ジャイアント』の<第7章 日本に残された勝ち筋>にある(・「アンモニア」という奇貨)と関連したトピックスを取り上げたいと思います。

<勝手に新書>とは

 昔、アパレル・チェーンストア企業に勤務し人事・能力開発担当だった頃、市販のアパレル通信教育プログラムと自分で作成開発した自企業社員向け教育プログラムを一体化して活用。
 そのための添付作成した副教材のコラムに<勝手に新書>と題して、自己啓発用に1冊ずつ新書を紹介しました。
 そのタイトルに少し手を加えて、40数年ぶりに復活させて、これからネットで注文したての新書を中心に当サイトにメモ書きしていくシリーズです。
 新書でない場合もあり、選書やハードカバー書の場合も。
 いずれにしても新刊書中心なので、新鮮書、というわけです。
 と初めは「しん・せん書」と言っていましたが、意味不明気味なので、単純に「新書」と一本化しました。
 今回はその第11回です。

                       少しずつ、よくなる社会に・・・

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