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損はしないが知っておきたい最新年金事情解説書。大江英樹氏著『知らないと損する年金の真実【2022年「新年金制度」対応】』:勝手に新書-14

少しずつ、よくなる社会に・・・


先月4月1日から、公的年金制度が改定されています。
既に、65歳から年金受給者となっている私にとっては、今回の改定はほとんど関係ないのですが、日本独自のベーシックインカム、ベーシック・ペンション生活基礎年金の導入を提案しているため、年金制度の改定・動向は気になるところです。
無拠出・無条件での生活基礎年金制度提案とセットで、現状の公的年金制度の抜本的な改革を提案していることから、日本の公的年金制度については、できるだけ正しく理解しておく必要があります。
そのため、【2022年「新年金制度」対応】としている本書、
◆ 大江英樹氏著『知らないと損する年金の真実【2022年「新年金制度」対応】』(2021/10/25刊・ワニブックスPLUS新書)
を昨年11月に入手していたのですが、4月1日の改正日を過ぎても読まずじまい。
同時期に入手した他書と合わせて、なんとか4月中に読み終えることができました。

ここ数日で、当サイトに投稿紹介した以下の3冊に続いて、本稿での同書が、その残っていた最後の書になります。

日本の長期エネルギー戦略考察に格好の、森川潤氏著『グリーン・ジャイアント 脱炭素ビジネスが世界経済を動かす』:勝手に新書-11(2022/5/4)
メンズリブ書でありフェミニズム書でもある、杉田俊介氏著『マジョリティ男性にとってまっとうさとは何か #MeTooに加われない男たち』:勝手に新書-12(2022/5/5)
不登校・ひきこもりでお困りの方々にお薦めしたい杉浦孝宣氏・NPO法人高卒支援会著『不登校・ひきこもり急増』:勝手に新書-13(2022/5/6)

本書の構成は、次のとおりです。

大江英樹氏著『知らないと損する年金の真実【2022年「新年金制度」対応】』構成

はじめに
第1章 年金の本質
1.なぜ年金が不安なのか?
 ・年金に不安を感じる3つの理由
 ・未経験者は不安だし、経験者は黙っている
 ・年金不安を煽る三悪人
 ・「不安」な方が金融機関には好都合
 ・年金批判における野党の「成功体験」
 ・年金不安の理由は年金を知らないことではない
2.年金の本質(1) -年金は”貯蓄”ではなく”保険”
 ・貯蓄と保険の違いは
 ・年金はどんな不幸に備える保険?
 ・年金で損得を考えても意味はない
3.年金の本質(2)
 ・年金は「共助」
 ・年金の本質は「扶助機能を社会的に制度化」したもの
 ・もし公的年金がなかったら?
 ・「だったら生活保護でいいんじゃないの?」という誤解
4.年金の本質(3)
 ・30年後にペットボトルのお茶を飲むには?
 ・高齢者はお金が欲しいわけではない
 ・購買力を維持する一番良い方法は
第2章 年金に対する誤解を解く -初級編
1.「年金財政は赤字」という勘違い

 ・赤字なのは「国の一般会計」
 ・積立金はなぜこんなに多いの?
 ・積立金は運用されている
 ・外国に比べても格段に多い積立金
2.若者は払い損
 ・世代間対立を煽るメディア
 ・実際にどうなのかを見てみよう
 ・高齢者がすごく得をしているわけではない
 ・20代の若者でも払い込んだ保険料の倍以上が受け取れる
3.年金は無駄遣いしているから破綻する
 ・不祥事をきっかけに生まれた「ねんきん定期便」
 ・パチンコで3千円負けた”けしからん”亭主
4.年金の運用は赤字続き
 ・マイナスばかりが大きく取り上げられる
 ・GPIFの運用は決して悪くない
 ・GPIFは運用していない?
 ・GPIFは効率的な組織
 ・年金積立金の本質をもう一度考えてみよう
4.未納者が4割もいるから年金は破綻する
 ・物議を醸した未納問題
 ・「未納率4割」は何の4割なのか?
 ・本当の未納率ってどれくらい?
 ・保険料を払わない人は損をする
第3章 年金に対する誤解を解く -中・上級編
1.少子高齢化が進むので年金は崩壊する

 ・ありがちな図
 ・「働いている人」と「働いていない人」で見ると・・・
 ・働き方が変化してきている
2.年金は賦課方式よりも積立方式にすべきだ
 ・賦課方式と積立方式とは
 ・積立方式の持つ問題点とは?
 ・積立方式では、年金制度は始めることができない
 ・積立方式でも少子高齢化の影響は逃れることができない
3.バランスシートで見ると年金は破綻している
 ・年金のバランスシートとは何か?
 ・年金債務という概念の勘違い
 ・公的年金と企業年金の違い
4.運用利回りの目標が甘い
 ・年金積立金に対する誤解
 ・運用利回りに対する誤解
 ・スプレッド(実質的運用利回り)が大事
第4章 知っておくべき年金の歴史
1.「2004年」が大きなターニングポイントだった

 ・高齢化社会は50年も前から始まっていた
 ・どんな制度の改革が行われたのか
 ・具体的に何が変わったのか
2.百年安心って誰が言った? -「財政検証」の意味
 ・政府も厚生労働省も「百年安心」とはひと言も言っていない
 ・積立金も100年を基準にして活用する
 ・「財政検証」は未来予測ではない
3.「マクロ経済スライド」って何?
 ・給付額の増加を抑えるようにしたしくみ
 ・「マクロ」って何?
 ・具体的にはどれぐらい給付額が減少するのか
 ・マクロ経済スライドは厳格に運用すべき
4.年金が持つ格差是正の役割
 ・公的年金の大切な役割
 ・基礎年金の存在が格差を少なくしている
 ・「専業主婦はずるい!」という誤解
第5章 年金改革で変わること
1.2022年から始まる新しい制度とは

 ・法律で何が変わるのか?
 ・何のために改正したのか
 ・女性の働き方を支援できる制度を
2.厚生年金に入れる人が増える
 ・会社に勤めているのに厚生年金に入れない人
 ・厚生年金に入るとどうなるか?
 ・厚生年金に入れる人がどれぐらい増えるのか?
 ・負担できない会社に存在意義はない
3.働いても年金が減らない
 ・見直しのタイミングを変える
 ・働いても年金が減らない
 ・「所得再分配機能」との折り合いをどうつけるか
4.年金の受け取り方の選択が増える
 ・国は受給開始年齢を遅らせたい?
 ・65歳までの引き上げすらまだ終わっていない
 ・受給開始時期の選択肢が広がる意味
第6章 公的年金をうまく活用する
1.年金の受け取り方で注意しておくべきこと

 ・年金繰り下げは良い方法だけど
 ・繰り下げは最初から”いつまで”と決めておく必要はない
 ・繰り上げの受給はより注意しておくべし
2.繰り下げ以外でも年金の受取額を増やす3つの方法
 ・公的年金でも増額可能!?
 ・方法1:収入を上げる
 ・方法2:夫婦ともに厚生年金に入って働く
 ・方法3:長く働く
 ・60歳以降も国民年金に任意加入
3.公的年金をどう活用するか
 ・老後のお金は「三重の塔」
 ・順番を間違えてはいけない
 ・公的年金は何に使うべきか?
 ・組み合わせを考えてみる
4.年金受け取り、考えるべき4つのパターン
 ・ケース1:夫サラリーマン、妻専業主婦世帯
 ・ケース2:夫、妻ともに50歳の同い年で共働き
 ・ケース3:独身女性でフリーランスの世帯
 ・ケース4:夫、妻ともに30歳の若い共働き夫婦で、子供が一人いる場合に考慮すべき要素
第7章 これからの年金との向き合い方
1.公的年金で大切な3つのこと

 (1)より多くの人が制度に参加すること
 ’(2)公平であること
  (3)経済が成長すること
2.年金不安に煽られて買ってはいけない金融商品
 ・買ってはいけないのは”年金”と名前の付いた商品
 ・個人年金保険はどこが良くないのか?
 ・毎月分配型も良いとは言えない
 ・自分で備えるのならiDeCoがベスト
3.年金について正しい情報を得るためのツールは
 ・情報を集めやすい時代になった
 ・読んでおきたい本
 ・知っておくと便利なアプリ
 ・公的年金について知るためのWEBサイト
おわりに

本書の帯には、「日本人の9割がしている勘違い」と書いています。
まさに、私自身も勘違いというか、誤って認識していたことが分かりやすく示されており、近々、社会保障制度・子育て支援政策に関する課題として、以下で取り上げた書籍を参考にした考察の中で紹介したいと考えています。

柴田悠氏著『子育て支援が日本を救う』『子育て支援と経済成長』:勝手に新書-8

もちろん、本題としての新しい年金制度について、そしてそれを含めて、より望ましい老後の備えに関する提案も非常に分かりやすく解説・提案していますので、後日そのポイントを、https://2050society.com 及び一部関連事項については、http://basicpension.jp で紹介したいと考えています。


なお、同書の最後に、著者が推薦する年金に関する数冊の良書が紹介されています。
当<勝手に新書>シリーズとして取り上げる予定はありませんが、折角ですので、ここで転載しておきます。

1.『ちょっと気になる社会保障 V3』(権丈善一氏著:2020/2/15刊・勁草書房)
2.『人生100年時代の年金戦略』(田村正之氏著:2018/11/22刊・日本経済新聞出版社)
3.『年金不安の正体』(海老原嗣生氏著:2019/11/6刊・ちくま新書)
4.『35歳から創る自分の年金』(是枝俊吾氏著:2020/3/18刊・日本経済新聞出版社)

当然ですが、この4冊は、今年の改正年金制度内容は盛り込まれていません。
現状の制度を理解するためには、本稿紹介の新書をお読み頂くことが望ましいと思います。

加えて、厚生労働書によるWEBサイト
<わたしとみんなの年金ポータル>は、こちらでご覧いただけます。
⇒ https://www.mhlw.go.jp/nenkinportal/

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