© ONOLOGUE All rights reserved.

ベーシック・ペンション理論付けに少しは役立つか?渡辺 努氏著『物価とは何か』:勝手に新選書ー16

少しずつ、よくなる社会に・・・

先月5月1日に注文し、月内に読み終えた、渡辺努氏著『物価とは何か』(2022/1/11刊・講談社選書メチエ)。
目的は、私が提案している日本独自のベーシックインカム、ベーシック・ペンション生活基礎年金の導入において懸念されるインフレ、ハイパーインフレ発生リスクに関する知識、その抑制対策の有無等に関する学習・検討のため。

本書用紙の帯に、こう表現された部分があります。

デフレもインフレもない社会は可能なのか?

納得できる、その解、方法・結論を同書で果たして読むことができるか?

忘れられていた異次元金融緩和政策に基づく2%物価上昇目標が、5月、いとも簡単に実現

ロシアによるウクライナ侵攻を原因とするエネルギー資源、IT資源、食料不足、サプライチェーン・リスクなど。
新型コロナ・パンデミック対策としての各国の膨大な財政出動が、サプライチェーン問題とも結びついてインフレが発生しつつありました。
ウクライナ侵攻がそうした現実に拍車をかけ、日本においては、あの、長く掛け声だけであり、その責任論も有耶無耶になっていた物価上昇率2%という目標が、いとも簡単に実現してしまいました。
基本的には、各種資源と原料・原材料、製品・商品の需要と供給の著しいギャップが招いたことですが、これに円安による輸入品価格の上昇、過剰な通貨の供給、それに米国で顕著に見られる賃金上昇などが相まって物価を押し上げるという、教科書通りの物価ストーリーを眺めているわけです。

そうした類の経済・経営の教科書によれば、ベーシックインカム給付による過剰な通貨発行は、間違いなくインフレを発生させること間違いなし。

しかし、ベーシック・ペンションによる発行通貨は、通常の国際間取引にも用いられる法定通貨、円ではなく、日本国内のみに流通・費消され、一定期間内に回収・消却される基礎的生活にのみ使途が限定されるデジタル通貨です。

この特殊なデジタル通貨が年間100~200兆円、すべての国民に無条件で、無拠出で支給されれば、社会に流通している一般の法定通貨と共に、どのように物価に影響を与えるか。
この命題に結びつく「物価」「インフレ」を巡る理論と推論、そして問題発生時の対応方法などを、考えてみたい。
果たしてこの希望に応えてくれるでしょうか。    

いずれ、ベーシックペンション専門サイト http://basicpension.jp でベーシック・ペンションと結びつけて取り上げることがあるかと思います。

物価とは何か』構成

はじめに
第1章 物価から何がわかるのか
1.それは何の値段なのか
2.物価はこうして「作られる」
3.物価は誰のものか ー 企業の物価・地域の物価・個人の物価
第2章 何が物価を動かすのか
1.インフレもデフレも気分次第
2.ハイパーインフレが教えてくれる物価の本質
3.予想との格闘
第3章 物価は抑制できるのか ー 進化する理論、変化する政策
1.フィリップ曲線という発見
2.信任と独立
3.おしゃべりな中央銀行
4.予想は操作できるか
5.予想は測ることができるか
第4章 なぜデフレから抜け出せないのか ー 動かぬ物価の謎
1.価格はなぜ毎日変わらないのか?
2.ミクロとマクロの辻褄が合わない!
3.価格を変えない日本企業
4.デフレで何が困るのか
5.商品の新陳代謝と企業の価格更新
第5章 物価理論はどうなっていくのか ー インフレもデフレもない社会を目指して
おわりに

渡辺 努氏プロフェール(同書より)

・1959年生。東京大学経済学部卒。
・日本銀行勤務、一橋大学経済研究所教授等経て、現在、東京大学大学院研究科教授
・(株)ナウキャスト創業者・技術顧問。キャノングローバル戦略研究所研究主幹。
・ハーバード大学Ph.D.  ・マクロ経済学専攻
・著書、略

なお本書は、同様にベーシック・ペンションの理論的根拠として利用が可能か調べるための書としている「公共貨幣」関連書の一つの側面からの予習参考図書的な位置付けで入手したものです。
この「公共貨幣」をテーマとした書2冊を『物価とは何か?』のあと入荷し、1冊は昨日読み終え、もう1冊を読みはじめています。
この2書を次回紹介します。

【日本独自のベーシックインカム、ベーシック・ペンション生活基礎年金2022年案】

ベーシック・ペンション法(生活基礎年金法)2022年版法案:2022年ベーシック・ペンション案-1(2022/2/16)
少子化・高齢化社会対策優先でベーシック・ペンション実現へ:2022年ベーシック・ペンション案-2(2022/2/17)
マイナポイントでベーシック・ペンション暫定支給時の管理運用方法と発行額:2022年ベーシック・ペンション案-3(2022/2/18)
困窮者生活保護制度から全国民生活保障制度ベーシック・ペンションへ:2022年ベーシック・ペンション案-4(2022/2/19)


<勝手に新選書>とは

 昔、アパレル・チェーンストア企業に勤務し人事・能力開発担当だった頃、市販のアパレル通信教育プログラムと自分で作成開発した自企業社員向け教育プログラムを一体化して活用。
 そのための添付作成した副教材のコラムに<勝手に新書>と題して、自己啓発用に1冊ずつ新書を紹介しました。
 そのタイトルに少し手を加えて、40数年ぶりに復活させて、これからネットで注文したての新書を中心に当サイトにメモ書きしていくシリーズです。
 新書でない場合もあり、選書やハードカバー書の場合も。
 いずれにしても新刊書中心なので、新鮮書、というわけです。
 と初めは「しん・せん書」と言っていましたが、意味不明気味なので、単純に「新書」と一本化しました。
 今回はその第16回で、新書ではなく、新刊の選書紹介となったので「新選書」に・・・。

 

                    少しずつ、よくなる社会に・・・

関連記事

20232/6

【『世界インフレと戦争』から考える2050年安保とベーシック・ペンション】シリーズー11、最終回終了!

20年、30年後の社会を生きるすべての世代へ 中野剛志氏著『世界インフレと戦争 恒久戦時経済への道』(2022/12…

20232/5

『誰が○○を殺すのか』、誰がそれを許したのか

ぼーっと生きてるせいかどうか分からないが・・・。2,3日前に、並べて立てていた数冊の新書のうちの2冊が、同じようなタイトルだっ…

20232/4

生活基礎安保・社会保障安保としてのベーシック・ペンションを確認する

20年、30年後の社会を生きるすべての世代へ 中野剛志氏著『世界インフレと戦争 恒久戦時経済への道』(2022/12/…

20232/3

異次元の金融緩和、アベノミクス、現状の米国インフレ対策を経済学はどう見るか

20年、30年後の社会を生きるすべての世代へ 中野剛志氏著『世界インフレと戦争 恒久戦時経済への道』(2022/12…

20232/2

3年前から始めたスマホ望遠レンズでのカワセミ撮影

近くを流れる伊賀川沿いのウォーキング時に見かけ、魅せられたことから始めたスマホでのカワセミ撮影。 単に撮って…

20232/2

「恒久的戦時経済」とは何か?

20年、30年後の社会を生きるすべての世代へ 全11回を予定して続いている、中野剛志氏著『世界インフレと戦争 恒久戦…

20232/1

2月課題新書。食料安保と関係する2冊と日本の未来書:『日本が飢える!』『誰が日本の農業を殺すのか』『2040年の日本』

20年、30年後の社会を生きるすべての世代へ 昨年夏までは、入手した新刊新書を「勝手に新書」と題して紹介してい…

ページ上部へ戻る