book

ベーシックインカムについても語っているトマ・ピケティ新刊書『来たれ、新たな社会主義』:勝手に新鮮書-19

少しずつ、よくなる社会に・・・

トマ・ピケティ氏著『来たれ、新たな社会主義――世界を読む2016-2021

昨日2022/6/16付日経夕刊に、経営学者入山章栄氏による、トマ・ピケティ氏著の新刊
来たれ、新たな社会主義――世界を読む2016-2021』(2022/4/20刊・みすず書房・¥3,520)
の書評が載りました。

4月に発売された新刊書ですが、内容は、フランスのルモンド紙に、2016年9月13日以降2021年1月12日までに掲載された44の論説を集めた書ということで、以下の3部構成になっています。

第Ⅰ部 グローバル化の方向性を転換するために 2016 ~ 2017
第Ⅱ部 フランスのためにはどんな改革をすべきか 2018 ~ 2021
第Ⅲ部 欧州を愛することは欧州を変えること   2018 ~ 2021

プロローグに当たる冒頭に「来たれ! 社会主義」と題した2000年9月の論述を配置し、以下の小タイトルで構成しています
・平等と参加型社会主義への長い歩み
・権利の平等をもたらす仲介者としての社会国家
・参加型社会主義のために ー 権力と資産を循環させる
・社会連邦主義 ー グローバル化の新しいアプローチに向けて
・男女同権・多民族共生・普遍主義的社会主義に向けて

この項目で、本書の概要や目的・目標がイメージできるのですが、それよりも何よりも、私が興味を持ったのが、同書の中で、<ベーシックインカムの導入>も主張していることを、入山氏が書評で述べていることでした。
目次を調べてみると、その「第Ⅰ部 グローバル化の方向性を転換するために」の中に、2016年12月13日掲載で、<ベーシックインカムか、公正な賃金か?>というテーマが入っていました。
正直、ここだけを読んでみたい! 

もっとも新しい論説で、2021年1月のもの。
1年半も前のものです。
入山氏が「昨今の資源価格高騰やウクライナ情勢の続編があったら読みたいところだ」とするのも当然のこと。
関連部分を、ルモンド紙から引用して、だれかが紹介してくれればと思ったりもします。
また例によって
「様々な図表・エビデンスを使った」と毎度の学者推薦理由も上げての書評。
トマ・ピケティ氏の強いイデオロギー性や自由主義がもたらしたイノベーション等に触れないことへの疑問も呈した書評。
私が、あまり読みたいと思わないのもそうした理由に一端があります。

ついでにこの1冊も紹介!?

トマ・ピケティ氏著『21世紀の資本』(2014/12/6刊・みすず書房)

ところで、1冊6,050円もする高額の書でありながら、日本でもベストセラーとなったあの『21世紀の資本』(2014/12/6刊・みすず書房)の著者であるトマ・ピケティ。
外国人著者の翻訳版の多くは、過去掲載の論述を集めたものが多いのですが、600ページを超えるこの大部は、目次を見る限りでは、オーソドックスな研究書であるかのようです。
とはいっても、新書をもっぱらとする私は、(恥ずかしながら、そして当然のことながら)この『21世紀の資本』は読んでいません。

最近は、やや高額な?ハードカバー書や、1000円、2000円、3000円を超える書も、興味深ければ購入して読むようになってきていますが。(できれば中古書で少しでも安く)
⇒ すべての国会議員が読むべき書。ダニエル・ヤーギン氏著『新しい世界の資源地図』:勝手に新書-9(2022/5/2) ※こちらは新刊書を
⇒ この社会経済システム改革に必要な何かがまだ描けていない。山口薫氏著『公共貨幣』『公共貨幣入門』:勝手に真剣書ー17(2022/6/3) ※こちらは中古書と新刊書

この『21世紀の資本』、現状中古書で最も安くても2,500円超。
他に読みたい本が目白押しなので、手にすることがあるかどうか。
どちらにしても、トマ・ピケティの書は、好みも含め、積極的に読みたいものの中には入らないのですが、ベーシックインカムに対する見解は知っておきたいと思いますので、適切な機会があれば、と思っています。

なお、1年前に社会主義をテーマにした新書いまこそ「社会主義」 混迷する世界を読み解く補助線 』(池上彰・的場昭弘氏共著:2020/12/30刊)を題材にして以下のシリーズを記事にしています。
お時間がありましたら、チェックして頂ければと思います。

<第1回>:格差拡大の暴走を制御できない資本主義:『いまこそ「社会主義」 』から考える政治経済社会システム-1
(2021/5/15)
<第2回>:社会主義の多様性・多義性を知っておこう:『いまこそ「社会主義」 』から考える政治経済社会システム-2(2021/5/18)
<第3回>:紙一重の右と左の国家主義:『いまこそ「社会主義」 』から考える社会経済政治システム-3(2021/5/21)
<第4回>:資本主義、社会主義、民主主義をめぐるこれからの10年、20年、30年を考える:『いまこそ「社会主義」 』から考える社会経済政治システム-4(2021/5/25)

因みにこの新書いまこそ「社会主義」 でもマルキシストを自称する的場昭弘氏が、ベーシックインカムのことを持ち出していますが、あまり評価はしていませんでした。


<勝手に新鮮書>とは

 昔、アパレル・チェーンストア企業に勤務し人事・能力開発担当だった頃、市販のアパレル通信教育プログラムと自分で作成開発した自企業社員向け教育プログラムを一体化して活用。
 そのための添付作成した副教材のコラムに<勝手に新書>と題して、自己啓発用に1冊ずつ新書を紹介しました。
 そのタイトルに少し手を加えて、40数年ぶりに復活させて、これからネットで注文したての新書を中心に当サイトにメモ書きしていくシリーズです。
 新書でない場合もあり、選書やハードカバー書の場合も。
 なので新刊選書の場合は、新選書、ということも。
 今回は、新書ではなく単行本。
 ハードカバーではないようですし、選書サイズでもないようですが、新刊ということで新鮮書に。
 

                     少しずつ、よくなる社会に・・・

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

ピックアップ記事

  1. 鈴木宣弘氏著『農業消滅』から:2021年発刊新書考察シリーズ振り返り-6
  2. 公務員および公務業務の在り方から考える行政システム改革:2030年の社会システム…
  3. 東急ハンズ、国債依存度、隠れ宅配、冬至翌日:日経、失敬、一計、OK?-2
  4. 1967年のモンテーニュ、点滴6日間体験の2022年
  5. 2020年6月~8月のベーシック・インカム多面的考察論:2020年ベーシックイン…

関連記事

  1. memo

    明日から陽が長くなる!冬至から始める「日経、失敬、一計、OK?」メモ

    その日の日経の見出しから気になるタイトル、テーマを取り敢えずピックア…

  2. onologue

    新聞専売店引き継ぎ・廃業からNPO法人コドモミライ事業に!?

    これまで中日と日経各紙を毎日配達してくれていた専売店石垣新聞店が、今…

  3. onologue

    レアンドロダミアンと川崎フロンターレとの一期一会譚:一言一会-1

    「一言一会」始めます!文学かノンフィクションか。日経…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

無料デザインテンプレートなら【エディターAC】

最新の記事

無料イラスト素材【イラストAC】
2022年7月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031
写真素材素材【写真AC】
  1. book

    「いま自分の立ち位置に迷うマジョリティ男性に待望の一冊」って意味不明:『マジョリ…
  2. b-guide

    野口悠紀雄氏著『CBDC中央銀行デジタル通貨の衝撃』から:2021年発刊新書考察…
  3. onologue

    東急ハンズ、国債依存度、隠れ宅配、冬至翌日:日経、失敬、一計、OK?-2
  4. b-guide

    『ベーシックインカムとジェンダー 生きづらさからの解放に向けて』(2011年刊)…
  5. memo

    親ガチャ、マルトリートメント、ヤングケアラー:子どもを主体とする支援センターの必…
PAGE TOP