
『ベーシックインカムを問いなおす その現実と可能性』(2019年刊)より:<ベーシックインカム書から考えるBI論>記事シリーズ-4
<ベーシックインカム書から考えるBI論>紹介・考察記事シリーズ-4
『ベーシックインカムを問いなおす その現実と可能性』(佐々木隆治・志賀信夫氏編著、今野晴貴・藤田孝典・竹信三恵子・井手英策・森周子・小澤裕香・小谷英世・孔栄鐘氏著:2019/10/20刊・法律文化社)
『ベーシックインカムを問いなおす その現実と可能性』構成
序
第Ⅰ部 日本の現状とベーシックインカム
第1章 労働の視点からみたベーシックインカム論 今野晴貴氏
■ なぜ「BI+AI論」が危険なのか ベーシックインカム
1.「日本社会にとってのベーシックインカム政策」を考える2つの前提
2. 日本の労働問題からベーシックインカムを考える
3.「BI+AI論」の帰結
第2章 貧困問題とベーシックインカム 藤田孝典氏
1.NPO法人ほっとプラスに寄せられる生活困窮者の実態とベーシックインカム
2.生活保護制度からベーシックインカムを考える
3.制度主義に陥らず社会運動での改善に終始せよ
第3章 ベーシックインカムはジェンダー平等の切り札か 竹信三恵子氏
■ 「癒やしの道具」にさせないために
1.ベーシックインカムはなぜ女性たちの期待を集めるのか
2.ベーシックインカムがジェンダー平等を損なうシナリオ
3.「日本的土壌」でのベーシックインカムの危うさ
4. ジェンダー平等を促すベーシックインカムのために
第4章 財政とベーシックインカム 井手英策氏
1.ベーシックインカムの哲学的基礎を問い返す
2.なぜ「ベーシックサービス」ではいけないのか
3.ベーシックインカムと財政問題
第Ⅱ部 世界におけるベーシックインカム
第5章 ドイツにおけるベーシックインカム 森 周子氏
1.ドイツの労働市場の現状と社会保障制度
2.代表的な3つのベーシックインカム提案の内容
3.ベーシックインカムへの批判
4.政労使の見解
5.ベーシックインカムへの具体的な取り組み
第6章 フランスにおけるベーシックインカム 小澤裕香氏
1.大統領選挙にみるベーシックインカム議論
2.ベーシックインカム議論の背景
3.ベーシックインカム議論の潮流と具体案
4.ベーシックインカムに対する批判
第7章 スイスにおけるベーシックインカム 小谷永生氏
1.国民投票に至るまでのベーシックインカム導入推進派の戦略
2.ベーシックインカム推進派の主張 ー ヘニとコーヴスを例に
3.ベーシックインカム支給額と財政問題
4.さらなる問題点
第8章 韓国におけるベーシックインカム 孔 栄鐘氏
1.ベーシックインカム議論の登場と展開
2.ベーシックインカム議論の背景 ー 韓国の労働市場と社会保障制度の現状
3.韓国におけるベーシックインカムの実験と評価
4.ベーシックインカムの提案と評価とその代案
第Ⅲ部 ベーシックインカム論再考
第9章 ベーシックインカムと制度・政策 森 周子氏
1.社会政策の制度枠組みとベーシックインカム
2.ベーシックインカム導入に伴って実施されうる政策とは
3. ベーシックインカムの実現可能性
第10章 ベーシックインカムと自由 志賀信夫氏
■ 貧困問題との関連から考える
1.「新しい貧困」という社会問題
2.ベーシックインカムと平等 ー 何の平等に注目すべきか
3.自由の格差と不平等、貧困
3.自由と権利を求める主体とベーシックインカム
4. 補足として ー 差別と自由
第11章 ベーシックインカムと資本主義システム 佐々木隆治氏
1.市場と貨幣の権力制
2.ベーシックインカムと資本主義社会
3.ベーシックインカムの可能性
あとがき
『ベーシックインカムを問いなおす: その現実と可能性』対論シリーズ記事リスト
1. 今野晴貴氏「労働の視点から見たベーシックインカム論」への対論(2020/11/3)
2. 藤田孝典氏「貧困問題とベーシックインカム」への対論(2020/11/5)
3. 竹信三恵子氏「ベーシックインカムはジェンダー平等の切り札か」への対論(2020/11/7)
4. 井手英策氏「財政とベーシックインカム」への対論(2020/11/9)
5. 森 周子氏「ベーシックインカムと制度・政策」への対論(2020/11/11)
6. 志賀信夫氏「ベーシックインカムと自由」への対論(2020/11/13)
7. 佐々木隆治氏「ベーシックインカムと資本主義システム」ヘの対論(2020/11/15)

『未来の再建 暮らし・仕事・社会保障のグランド・デザイン 』 (井手英策・藤田孝典・今野晴貴氏共著:2018/12/10刊・ちくま新書)
『幸福の増税論――財政はだれのために (岩波新書)』( 井手英策著:2018/11/20刊・岩波新書)
『ベーシックインカムを問いなおす』の中で第Ⅰ部の5つの章のうちの3つを担当している井手英策氏、藤田孝典氏、今野晴貴氏は、同書に先立って、2018年に 『未来の再建 暮らし・仕事・社会保障のグランド・デザイン 』 (2018/12/10刊・ちくま新書)を発刊。
またそのほぼ1ヶ月前に井手氏は、『幸福の増税論――財政はだれのために (岩波新書)』(2018/11/20刊・岩波新書)を発刊し、ベーシックインカムに代わるベーシックサービスを提唱・提案。
冒頭のシリーズを受ける形で、この2冊を取り上げ、関連付けて以下のミニシリーズを投稿。
『未来の再建 ー 暮らし・仕事・社会保障のグランドデザイン』『幸福の増税論 ― 財政はだれのために 』構成
『未来の再建』
はじめに 今野晴貴氏
第1章 生活困窮者を絶え間なく生む社会 藤田孝典氏
第2章 引き裂かれる日本社会 井手英策氏
第3章 日本の「労働」はなぜこれほど苦しいのか 今野晴貴氏
第4章 身近な世界を政策につなぐために
ー ベーシック・サービスの提唱 井手英策氏
第5章 限定的で狭小な社会福祉からの脱却 藤田孝典氏
第6章 「職業の再建」で分断を乗り越える 今野晴貴氏
第7章 未来を再建せよ すべてを失う前に 井手英策氏
あとがき 藤田孝典氏
『幸福の増税論』
はじめに
第1章 鳴り響く「一億総勤労社会」の号砲
第2章 中の下の反乱 ー 「置き去りにされた人たち」の怒り
第3章 再分配革命 ー 「頼りあえる社会」へ
第4章 貯蓄ゼロでも不安ゼロの社会
第5章 財政の転換をさまたげるもの
終 章 選択不能社会を終わらせる
おわりに
1. 井手英策氏「ベーシック・サービスの提唱」への対論:『未来の再建』から(2020/11/17)
2. 井手英策氏「未来の再建のためのベーシック・サービス」とは:『未来の再建』より-2(2020/11/18)
3. ベーシックサービスは、ベーシックインカムの後で:『幸福の財政論』的BSへの決別と協働への道筋 (2020/11/26)

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