1. HOME
  2. onologue
  3. diary, random note
  4. 4月5月課題新書:『さらば、男性政治』『国費解剖』『日本銀行 我が国に迫る危機』プラスα
diary, random note

4月5月課題新書:『さらば、男性政治』『国費解剖』『日本銀行 我が国に迫る危機』プラスα

diary, random note, onologue

75


先月は、WEBサイトの運営を休止月としたため、同様掲載しなかった月度ごとの課題新書。
今月もほぼ3分の1が過ぎてしまったが、今月と来月の課題図書として3冊取り上げておきたい。

女性主体政治グループ提案参考のための1冊とベーシックインカム財源財政論参考のための2冊

以下の3冊の1冊目は、女性と政治に関する書、後の2冊は、財政・金融関連書。
前者は、以前から提案している、劣化した政治、中長期的な視点での政治と行政が欠落した社会状況を変革するためには、女性と若い世代が国会議員に進出することが不可欠という考え。
これを今年、より主張・提案したいと思って選択したもの。
後者は、やはりかねてから提案している日本独自のベーシックインカム、ベーシック・ペンション生活基礎年金実現のために乗り越える必要がある、その財源問題について考察を深めるために参考になるかもしれないということで。

1.三浦まり氏著『さらば、男性政治』(2023/1/20刊・岩波新書)
2.日本経済新聞社編『国費解剖 知られざる政府予算の病巣』(2023/3/8刊・日経プレミアシリーズ新書)
3. 河村小百合氏著『日本銀行 我が国に迫る危機』(2023/3/20刊・講談社現代新書)

※ 小松理虔氏著『新地方論 都市と地方の間で考える』(2022/10/30刊・光文社新書)
※ 島倉原氏著『MMTとは何か 日本を救う反緊縮理論』(2019/12/10刊・角川新書)

以上、3冊について、それぞれ、概要とメモ書きをここで添えておきたい。

三浦まり氏著『さらば、男性政治』(2023/1/20刊・岩波新書)

6月には、https://2050society.com で、国政を変える、国政を変革するためにどうすべきかを、考察・提案するシリーズをと考えている。
その軸とすべきと考えているのは、まったく新しい女性主体の政治グループ・政党を創設・組織化し、中長期的計画で多数の女性国会議員を誕生させ、活動基盤を確立すること。
既に本書の半分ほど読み進めているのだが、予想通り、そんな方向についての記述や思いは、今のところ微塵もない。

実は、もう3年近く経つが、前田健太郎氏著『女性のいない民主主義』(2019/9/20刊・岩波新書)を参考にして
女性のいない民主主義社会の改革を:女性国会議員の一挙増員への途(2020/6/16)
という記事を投稿している。
しかし、今回の考察・提案では、その記事内容と同様・同列のものには、少しでもならないように、という思いがある。
本書は女性の執筆なので、どこかに、なにかに、従来とは異なる視点での論述や提案を期待して手に取ったわけだ。
ジェンダー論に傾斜しないようにと、6月のシリーズの方向性を考える上で、本書が有用であることを願って、残りを読み進めたい。
以下に、本書の章立て構成をメモした。

さらば、男性政治』構成

第1章 男性ばかりの政治
第2章 20年の停滞がもたらしたもの ー ジェンダー平等後進国が作り出した生きづらさ
第3章 女性を排除する日本の政治風土と選挙文化
第4章 女性に待ち受ける困難 ー障壁を乗り越える
第5章 ミソジニーとどう闘うか
第6章 なぜクオータが必要か
第7章 ジェンダー平等で多様性のある政治に向けて

日本経済新聞社編『国費解剖 知られざる政府予算の病巣』(2023/3/8刊・日経プレミアシリーズ)新書)

こちらと次の書は、ベーシック・ペンションと関連させて考察できればと入手。
今注目を集めている岸田内閣の目玉「異次元の少子化対策」にとどまらず、何かにつけ、財源はどうする、膨れ上がる赤字国債のツケをどうする、と、10年、20年、30年一日の議論が繰り返される国の財政・財源問題。
提案しているベーシック・ペンションは、そのための財源を必要としない、国債に依存しない財源フリーの制度。
専用デジタル通貨で支給し、一定期間内に使用・流通・回収・消却という管理運用サイクルをシステム化するもの。
しかし、その過程で国や自治体に還流してきたベーシック・ペンションは、現金化して一般財政に用いずに、社会経済システム基盤の整備・拡充に使途を限定する基金とする方式を考えている。
「国費」「政府予算」というキーワードから、こうしたアイディアの裏付けとなる話・情報を得ることができないかという思いで入手したもの。
以下に、本書の章立て構成をと考えたが、それだけでは漠然としていたので、<節>レベルのテーマも書き加えた。
「基金」や「特別会計」という用語が目につくが、その関連でのヒントを期待したい。

国費解剖 知られざる政府予算の病巣』構成

序 章 コロナ予算はどこにいった?
第1章 予備費の誘惑、乱発される「緊急事態」
 1.物価対策なら何でもあり
 2.緊急性見誤り、予備費使い残す
 3.守られぬ国会承認ルール
 インタビュー
第2章 基金という名の「ブラックボックス」
 1.乱立200基金、巨額の塩漬け
 2.過剰人員、中小企業の支援金食い潰す
 3.畜産基金、支給遅れ常態化
 4.基金で病床再編、戦略なき迷走
 インタビュー
 番外編
第3章 特別会計、今も「離れですき焼き」
 1.コメ減収補填に「必要ない予算」温存
 2.エネ特会、脱炭素に回らず
 番外編
第4章 コンサル頼みの委託事業
 1.受注額4倍、民間の競争原理働かず
 2.目立つ「競合なし」、多重下請けも
 3.誰も知らない適正価格
第5章 政府の辞書に「検証」なし
 1.スポーツ貢献、実績を水増し
 2.国の政策、3割成果測れず
 3.デジタルに逆行、間違いだらけの情報公開
 4.脱炭素基金、採択根拠の開示後回し
 インタビュー
 番外編
第6章 国と地方、無責任の連鎖
 1.コロナ交付金、「ばらまき」の原資に
 2.デジタル街づくり、実用化断念の必然
 3.過疎対策、かすんでいく原則
 4.吹き出したコロナ病床の矛盾

河村小百合氏著『日本銀行 我が国に迫る危機』(2023/3/16刊・講談社現代新書)

こちらの方は、ズバリ、ベーシック・ペンション導入においては、日本銀行法の改定・改正、そしてわが国の中央銀行である日本銀行自体の改革が不可欠である。
その前提として、現在の日銀について、よく理解しておく必要があるし、新しい中央銀行はどうあるべきかの考察を深めておくべき。
そのため入手したもの。
同様、本書の章立て構成を以下にメモした。

日本銀行 我が国に迫る危機』構成

プロローグ 異次元緩和から9年、ついに現れた不穏な兆候
第1章 日本銀行に迫る債務超過危機
第2章 我が国の財政運営に待ち受ける事態
第3章 異次元緩和とはどのようなものだったのか
第4章 欧米中銀の金融政策運営との比較でわかる日銀の”異端”さ
第5章 異次元緩和が支えたアベノミクスと残された代償
第6章 事実上の財政破綻になったら何が起きるか ー 戦後日本の苛烈な国内債務処理
第7章 変動相場制下での財政破綻になったら何が起きるか ー 近年の欧米での経験
第8章 我が国の再生に向けての私たちの債務

なお冒頭のリストに上記の3冊以外に、次の2冊を挙げている。

※ 小松理虔氏著『新地方論 都市と地方の間で考える』(2022/10/30刊・光文社新書)
※ 島倉原氏著『MMTとは何か 日本を救う反緊縮理論』(2019/12/10刊・角川新書)

2冊とも中古書であり、前者は、2月に入手して3月に読み終えており、後者は、3月に入手し、今月か来月には読みたいと考えている。

・小松理虔氏著『新地方論 都市と地方の間で考える』(2022/10/30刊・光文社新書)
は、確かに従来の<地方創生>・<地方再生>論とは趣を異にしており、随筆風な内容・構成になっている。
そんな感覚で読みやすく、なるほどと思える書。

第1章 観光 ー 受け入れる側として捉えるとき
第2章 居場所 ー 「いる」と「やる」の間に生まれるもの
第3章 政治 ー 「強さ」でなく「弱さ」をキーワードにして
第4章 メディア ー ローカルを再定義して見えてきたもの
第5章 アート ー 想像力を持って「出来事化」する
第6章 スポーツ ー それは「わたしたちのもの」でもあるのだから
第7章 食 ー 「大量生産」をあえてポジティブに考える
第8章 子育て ー 「わたし」に吹く風を、もっと大切にできたら
第9章 死 ー 不確実さをおもしろがってみる
第10章 書店 ー 地方に都市をつくるサードプレイス


ふと思い立って、本書の構成・目次をメモした。
面白い着眼であり、好奇心をそそられるテーマと今更感じている。
なんとなく、いま、ベーシック・ペンションのめざすところと共通するところがあるような気も。
ちなみに、同書で印象に残ったキーワードは「居場所」である。

後者は、自ずと、ベーシック・ペンションの財源と結びつける素材として。
同じテーマ書として既に、
・森永康平氏著『MMTが日本を救う』(2020/6/24刊・宝島新書)
を読んでいるが、こちらはベーシックインカムにMMTを適用して論じた部分がある。
しかし、本書は、そうではなく純粋に理論入門書としてのもの。
その理解を深めるために入手した。
但し、ベーシック・ペンションがMMTに基づく考え方を採用しているわけではないことを念のため。

上記の全冊をまだ読み終えていないのだが、次から次へと関心を呼ぶ新刊新書が発売されており、気が早って困る日々だ。

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。