
COP26 石炭火力廃止46ヵ国合意に対し、資源乏しいこと理由に日本不参加の恥
英国で開催の第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)。
石炭火力発電所の廃止を提唱する議長国・英国の声明に、46ヵ国が同意したが、日本はしなかった。
英国は、風力発電への取り組みが功を制しており、自信満々での提案だった。
一方日本は、第6次エネルギー基本計画でも、2050年カーボンゼロ宣言の見通しも立てることができず、再生可能エネルギー構成比目標値は36~38%にとどまっている。
11月5日、萩生田経産相は同意見送りの理由を「資源が乏しく周囲を海で囲まれた日本では、多様なエネルギー源をバランスよく活用することが重要だ」と。
英国も同じ海で囲まれた国。
よくも恥ずかしくもなく「資源が乏しい」からと言えたものだ。
日本よりも資源がない国は、あまたあるにも拘らず、先進国を自負する国としては、なんとも恥ずかしいかぎりだ。
日頃自信満々で、恥など彼の辞書にはない萩生田も、立場が変われば、都合よく変わるものだ。
資源が不足する国であることは、当に分かりきっていること。
それを打開し、2050年までのカーボンゼロやエネルギー自給自足国家を創造するのが、国・政府の使命。
資源が不足するゆえの原発維持、電源構成への一定の組み入れの固執も創造性・革新性を国家ぐるみで放棄しているわけだ。
折りからの原油価格、LNG価格の高騰など、常に想定内とした対策・対応を準備しておくべきことは経験を考えれば当然のこと。
そして長期的には、日本は、グリーン水素によるエネルギー自給自足国家の実現をめざすべきことが、唯一の選択肢と考えるべきである。
相互の利益享受を旨として企業寄りの政策しか打ち出し得ない自民党に対し、エネルギー問題は、環境問題を初めとしたさまざまな政策とも関係した明確な対立軸として、野党が長期ビジョンと計画を、技術革新への見通しをベースとして打ち出すべき重点政策課題の一つだ。
しかし現状では与野党どちらにも期待するだけ無駄であること、そしてグローバル社会における日本の存在意義・価値を、今回のCOP26で図らずも露呈することになっている。
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