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斎藤幸平氏著『人新世の「資本論」』紹介・考察シリーズ記事案内

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 Amazonの新書ランキングを見ると、発刊以来1年以上立つけれども未だに売れ続けている斎藤幸平氏著人新世の「資本論」(2020/9/17刊・集英社新書)。
 既に累計40万部以上売れているようです。


 この書をテーマに、今年4月・5月に https://2050society.com で <『人新世の「資本論」 』が描く気候変動・環境危機と政治と経済 >と題して、4回に亘って投稿しています。

1. 帝国的生活様式、グリーン・ニューディール、気候ケインズとは:『人新世の「資本論」 』が描く気候変動・環境危機と政治と経済-1(2021/4/25)
2. なぜ今マルクスか、「人新世のマルクス」:『人新世の「資本論」 』が描く気候変動・環境危機と政治と経済-2(2021/4/27)
3. 資本主義と同根の左派加速主義大批判:『人新世の「資本論」 』が描く気候変動・環境危機と政治と経済-3(2021/4/29)
4.脱成長コミュニズムというユートピアは実現可能か:『人新世の「資本論」 』が描く気候変動・環境危機と政治と経済-4 (2021/5/2)


 基本的に、私は、同氏の主張には賛成しかねるのですが、言わんとするところはそれなりに理解はできます。
 ただ、マルクスが残した研究資料から、地球環境・気候変動問題にマルクスも注視していて、生前それを世に問うことはなかったが、マルキシズムの根底・根幹にある考え方であったとする説には、賛成しかねるのです。

 その問題はそれとして、マルクスの研究を敢えて用いる必要はないでしょうし、何よりも、今日の状況をマルクスが予見・予測できていたのかとなると、ありえない話ではないかと思って当然ではないでしょうか。

 マルクスの復権を唱える思いは理解できるのですが、それと現実のグローバル社会が今後歩むべき道、取るべき政策を考え、行動を超すに当たって、果たしてマルクスに頼る必要があるのか、頼るべきなのか。

 ある意味宗教的な教条主義を根幹とするマルキシズムに関しては、現状の社会主義国家や共産主義の在り方を考えると、やはり限界・問題があると思いますし、世論的にもそう考える傾向が厳としてあることに異論はないのではないでしょうか。

 しかし、環境問題、気候変動変動問題への向き合い方と現実的な行動が不可欠なのは言うまでもありません。
 そういう書の一つとして本書を読むことは、意義あることと思っています。

 上記の4つのシリーズ記事は、当たり障りなく思うところを述べた感じです。
 お時間がありましたら、チェックして頂ければと思います。

 本書を読んだ40万人以上の人々は、どんな感想を持ち、どこに価値を見出したでしょうか。
 アンケートを実施してもらいたいところですが・・・。

 なお、先日当サイトで投稿した書籍紹介記事
読み進まぬ『クソったれ資本主義が倒れたあとのもうひとつの世界』、購入候補リストにある『タリバン 復権の真実』(2021/11/16)
で取り上げた書クソったれ資本主義が倒れたあとの、もう一つの世界についている帯に、「斎藤幸平氏、絶賛!」と、同書を推奨する文字が、ダイナミックに打ち出されていました。

 その書が、絶賛に値する書かどうか。
 近々、私の感想をご報告できればと考えています。


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