
岩田規久男氏著『「日本型格差社会」からの脱却』からシリーズ:2021年発刊新書考察シリーズ振り返り-4
今年2021年、当サイト管理者が運営する他の2つのサイトで展開した、新刊新書を取り上げて考察するシリーズ。
その中からいくつかのシリーズを紹介するシリーズ、第4回です。
第1回:「『資本主義から脱却せよ』から考える社会経済システム」シリーズ (2021/12/18)
第2回:「『新型格差社会』から考える分断・格差抑止のBI論」シリーズ(2021/12/19)
第3回:「『日本の少子化対策はなぜ失敗したのか?』で考える絶対不可欠のBI論」シリーズ (2021/12/24)
4回目の今回は、前日銀副総裁・岩田規久男氏による『「日本型格差社会」からの脱却』 (2021/7/30刊)を参考にして8月にhttps://2050society.com で2回、引き継いで http://basicpension.jp で2回と、2つのサイトにまたがって、計4回に亘って展開したシリーズです。
第1回:岩田規久男氏による「21世紀の日本経済の課題」:当サイト2050年長期社会経済政策比較(2021/8/26)
第2回:岩田規久男氏提案「21世紀の日本経済の課題」評価:『「日本型格差社会」からの脱却』からー2(2021/8/27)
第3回:岩田規久男氏による「給付付き税額控除制度」提案とベーシックインカム批判(2021/8/28)
第4回:岩田規久男氏による財政破綻不安不要論:『「日本型格差社会」からの脱却』からー4 (2021/8/29)
本書の構成を示す目次は、以下のとおりです。
第1章 デフレ下で進む少子高齢化と拡散の拡大
1・1 長期デフレによる日本経済の悪化
1・2 綻び始める社会保障制度と賃金格差の拡大
1・3 規制緩和とグローバリズムは雇用を悪化させたか
第2章 「日本型格差」の特徴
2・1 日本の不均衡な所得の再分配
2・2 深刻化する日本の貧困問題
2・3 年金制度における世代間格差と世代内格差
第3章 成長を取り戻すデフレ脱却と公正な競争政策
3・1 90年代以降、日本の生産性はなぜ低下したのか
3・2 労働生産性を引き上げるための正攻法
3・3 産業・企業保護政策から公正な競争政策へ
第4章 雇用の自由化と女性が働きやすい環境の整備
4・1 労働の効率的配分を可能にする制度改革
4・2 就業率を高めるための戦略
第5章 これからの所得再分配政策
5・1 新しい所得再分配制度で貧困を減らす
5・2 年金制度は世代で閉じる積立方式へ
各記事タイトル内のテーマだけ抽出し、各記事内の項目を加えると、以下のようになります。
1.「21世紀の日本経済の課題」当サイト2050年長期社会経済政策比較
1) 「日本型格差」とは
2) 岩田規久男氏による「日本型格差」の特徴
3) 岩田規久男氏の「21世紀日本経済の課題」
4) 岩田氏のコロナ後の日本の政治課題としての社会経済政策の要点
5) 当サイト提案との共通点
6) 当サイト提案との気になる違い
2.「21世紀の日本経済の課題」評価
1) 『「日本型格差社会」からの脱却』 は、誰に対しての書か
・ アベノミクスを評価するが、不明瞭な自民政権の経済財政政策批判
・ 「自称リベラル」批判
・ デービッド・アトキンソン 批判
2) 労働生産性向上課題についての見解と限界
3) 公正な競争という過去の失敗の歴史の繰り返し、経済界の体質の誤った評価
4) デフレ経済からの脱却政策と左派反緊縮政策、左派脱成長主義との共通性と違い
3.「給付付き税額控除制度」提案とベーシックインカム批判
1) 負の所得税方式の「給付付き税額控除制度」 とは
・ 所得控除方式と給付付き税額控除方式
・ 限界税率とは
2) 岩田氏によるベーシックインカム(BI)と同氏BI論に反対する理由
・ 給付付き税額控除方式に拠る負の所得税還付は、ベーシックインカムにあらず
・ ワークフェア「働かざるもの食うべからず」の考え方はベーシックインカム論の基軸にはならない
・ 生活保護制度は、稼働不能者への選別的社会保障・福祉制度にすべきという岩田論
3) 岩田氏の「21世紀日本経済課題」と「2050Society」提案の2050長期計画との違い
4.岩田規久男氏による財政破綻不安不要論
1) 岩田氏に拠るデフレ脱却のための財政金融政策
2) 財政破綻の心配はない日本の財政赤字、その理由
3) ベーシックインカムの赤字国債財源化可能論に通じる岩田氏論
4) 財政規律、財源問題とは無縁のベーシック・ペンション
専門家 vs 素人の発想と現実論との比較論として、冷やかし半分にお読み頂ければと思います。

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