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読み進まぬ『クソったれ資本主義が倒れたあとのもうひとつの世界』、購入候補リストにある『タリバン 復権の真実』

book, diary, random note, onologue

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書評・映画評に、ほほう、ひょうひょう!?-1


新聞掲載の書評や映画評を読むのが好きだ。
読みたい、観たいと思わせられる書や映画についての寸評、短評、小論を目にすると嬉しくなる。
しかし、実際に買い求めたり、劇場に足を運ぶことはほとんどない。
なので、そのほとんどは、その時を最後に、記憶に残ることも残すこともない。

そうした書を自宅で読み、劇場に行かなくてもDVDを自宅で観ることができる生活が理想であり、もっとも贅沢な生き方と思っている。
しかし、当分それは実現しないだろうし、もしかしたら残る人生において不可能かもしれないと思っている。
その理由は、当分、昨年と今年開設し、運営している2つのWEBサイト、https://2050society.com と http://basicpension.jp とこのブログを書いているWEBサイト http://ohnoharuo.com への投稿で目一杯と思っているから。
それを義務、ノルマと課しているから。

以前、DVDを毎週のように借りてきて夫婦で観ていた時期もあったが、かなり過去のこと。
小説も20年以上前に、購入して夜遅くまで読んでいた時期もあったが、ほんの少しばかりの期間に終わった。
いずれも、現役生活の時のスキマ時間を利用してのものだった。

しかし、リタイアした今、本来時間は自由に使えるはずだが、逆に、そうしたサイト運営に自らを縛り付けることになってしまった。
なぜか、先行逃げ切りを許されない団塊の世代最後に引っかかっている高齢者の責任のような念からのことだ。

ということで、隙間のスキマ時間に読む一服の書評・映画評は、日課としている一服、お代わりもある薄めのコーヒーと同じように嬉しくかつ貴重な数分間である。

2021年11月14日、日曜日の中日新聞<読書ページ>から


 先々月9月下旬に注文し入手した『クソったれ資本主義が倒れたあとの、もう一つの世界』(ヤニス・バルファキス氏著・江口泰子氏訳:2021/9/15刊:講談社)のだが、読み辛く、後から購入した新書に先を越されて、未だに読み切れていない。
 その書が、先日日曜日の中日新聞に、森永卓郎氏の評で取り上げられていた。

 基本的に上記の2つのWEBサイトの編集方針に合い、かつ新刊新書であっても、1,000円前後の価格設定のものをネットで購入し、1年以上前発行のものや、ハードカバー、ソフトカバーの新書より大きなサイズのものは中古書で購入するようにしている。
 その基準から外れている同書(1,980円)を購入したのは、ベーシックインカム専門サイトで取り上げるべき書と考えたから。
 新聞広告のインパクトが強烈だったことも理由である。

 しかし、能力不足というか、肌に合わないというか、なかなかページが前に進まないし、頭にもほとんど残らない。
 広告をしっかり確認しなかったせいか、元々そうとは書いていないのか確認していないが、これが小説仕立ての本であり、かつ過去と現在と近未来を前後させながらストーリーを展開し、かつ人名がカタカナ外人名でもあり、ベーシックインカム書としてブログで紹介するには、なかなか骨が折れそうなのだ。

 本書の筆者ヤニス・バルファキス氏は、ギリシャ・アテネ生まれの経済学者。
 そして、2015年話題・問題となったギリシャが経済危機に陥った時のチプラス政権の財務大臣に就任。
 財政緊縮策を迫るEUに対して大幅な債務免除を主張して注目を集めた異色の人物である。

 この書評を見たことから、なんとか残りを早急にと思い直しているのだが、どうにも、最近入手した、読みやすそうな本(『デジタル・ファシズム 日本の資産と主権が消える』堤未果氏著・2021/8/31刊:NHK出版新書)の誘惑についつい駆られそうになるし、別の新刊新書(『農業消滅』 鈴木 宣弘氏著・2021/7/19刊:平凡社新書 )も一昨日発注したため、追いまくられている感じになっている。

 森永氏の評は、同氏自身が過去在籍した総研が、同書で描かれているのと同様の人事・評価制度をとっており、うまくいっていたことを書いている。
 それもうまくできた話と思ってしまうが、最後をこう結んでいる。
「働くすべての人がづしたらどうしたら幸せになれるのか。この答えがここにある。小説にとどめるのはもったいないのだが、あまりに素敵なラストに、小説でよかったと思った。」

 私が読了してまず思うことはなんだろう。
 その時を楽しみに。
 

 

読みたいが、注文はどんどん遅くなるだろう『タリバン 復権の真実

 もう1冊、購入候補新刊新書リストに載っている書『タリバン 復権の真実』(中田考氏著・2021/10/20刊:ベスト新書)も、取り上げられていた。
 候補ではあるが、次々と新刊書が発行されるので、後順位のままになるのではと思っている書だ。
 その後のアフガンの女性はどんな状況にあり、今後どうなるのか、気になるところだが、一方でタリバン政権は、ISの自爆テロに悩まされている現実がある。
 私たちにはなかなか理解できない民族・宗教問題を背景とした中東の国の話。
 海外諸国がそれを理解しようとしても、あるいは仮に理解したとしても、彼の国の、かの地域の紛争がなくなることはないだろう。
 私のWEBサイトで取り上げる上で、最も難しいテーマであり、やはり自ずとネット注文は、どんどん遅れていくばかりだろう。

リラックスして読める交遊録

 もう1冊、関容子氏著の『銀座で逢ったひと 』(2021/9/17刊・中央公論新社)も、時間とお金が無尽蔵にあったら読みたい本だった。
 <信を得て肉薄 大家との交遊録>というこうした書は、気軽に読める。
 この類の書として、先日99歳で亡くなられた瀬戸内寂聴さんが、かなり前に新聞に同タイトルで連載した交流録を集めた『奇縁まんだら』(2008/4/16刊・日本経済出版社)を珍しく購入して読んだことがある。
 リラックスするに非常に好ましいジャンルの書だが、やはり購入することはないだろう。

 もう1冊。
 <記者の1冊>として、中日新聞中村陽子記者が薦めていたのが『2050年のジャーナリスト』(下山進氏著・2021/9/22刊:毎日新聞出版)。
 私が運営するサイトの1つが、2050年の望ましい日本社会を想定しての諸提案サイト。
 この書にも「2050年の」とあることから自然に目が行った。

残る1冊は『TOKYO REDUX 下山迷宮』(デイヴィッド・ピース氏著・黒原敏行氏訳: 文春e-book )。
(英国生まれで1994年に日本に移住した小説家デイヴィッド・ピース氏を私は知らなかった。)
 この新刊小説のテーマ・内容と関係なく、評者である映画監督森達也氏は、冒頭、初代国鉄総裁下山定則の死に関する「下山事件」の謎の解明にはまってしまう「下山病」について述べる。
 その理由は、この小説へのはまり方を例えて「まるで下山病に感染したかのように、どうしても目が離せなくなる。」という賛辞を贈るためだった。

 しかし、この書評を取り上げた私の理由は、ただ『2050年のジャーナリスト』の著者が「下山さん」であり、 『TOKYO REDUX 下山迷宮』 で、評者が持ち出した話にも「下山さん」が出てきたという「下山繋がり」を、今回第1回目の< 書評・映画評に、ほほう、ひょうひょう!? >のオチにしようと思っただけのことなのです。

 ということで、新刊新書を中心として取り上げるこのシリーズが、これから続くことになります。

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