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「いま自分の立ち位置に迷うマジョリティ男性に待望の一冊」って意味不明:『マジョリティ男性にとってまっとうさとは何か』って何か?

 新聞掲載の書評や映画評から受けたインパクト、影響をメモする <書評・映画評に、ほほう、ひょうひょう>シリーズを、先週から始めています。

読み進まぬ『クソったれ資本主義が倒れたあとのもうひとつの世界』、購入候補リストにある『タリバン 復権の真実』 (2021/11/16)
『ヤングケアラー』新書で、その実態の理解と支援制度・システムの拡充へ (2021/11/22)

と来て、今回は3回目。
 初回と同様、 日曜日の中日新聞<読書ページ>からで、11月21日掲載から、次の新書1冊だけを紹介します。
 と思ったのですが・・・。

杉田俊介氏著『マジョリティ男性にとってまっとうさとは何か #MeTooに加われない男たち』(2021/9/17刊・集英社新書)


 何に興味を引かれたかと言われれば、そのタイトルにあることは言うまでもないですね。
 ただ、なるほど!感ではなく、「まっとうさ」というコトバの「アイマイさ」が気になったためです。

 男性中心主義社会であることを言い換えての「マジョリティ男性」表現であるのでしょうが、「#MeTooに加われない男たち」という裏返しには、うら悲しさを感じてしまうとともに、そんなに悩むことでもあるまい、という気もするのですが。

 論者は、九州工業大学名誉教授佐藤直樹氏。
 最近では、2020年発刊の鴻上尚史氏との対談書『同調圧力 日本社会はなぜ息苦しいのか (講談社現代新書)』(2020/8/19刊・講談社現代新書)の共著者でした。
 あいにく、望月衣塑子・前川喜平・マーティン・ファクラー氏共著の同タイトル書『同調圧力』(2019/6/8刊・角川新書)は入手したのですが、その書は一時購入予定リストに入っていたのですが、求め損ない、読んでいません。

佐藤氏による論評は概要以下の通りです。

ジェンダーギャップ指数156カ国中120位の日本

 これに対して、大多数の男性はまるで実感がないのではないか、と。
 女性は自分が女性であることを日々意識させられるが、多数派の男性は自分が男性であることを、それほど意識しなくても生きていけるから。

 著者(杉田氏)いわく。
 いま、#MeToo運動など時代の大波にさらされ、その居心地の悪さに、困惑し、戸惑っている、「迷える多数派の男たちのためのまっとうな教科書」が必要、と。

 それを本書は実現し、さまざまな素材を元に、男性たちがフェミニズムから何を学ぶべきかを網羅的に整理し、丁寧に解読しているとのこと。
 具体的にこの評でも例を上げるが、ではどうすればよいか特筆すべきとして、「1960年代~70年代のラディカル・フェミニズムの原点(非対称な敵対性の場所)に立ち還るべきではないか」という提案を上げ、ちょっと説明を添えるです。

 んなこと言われても、余計に分からなくなると思うのですが。
 で、最後に筆者の言葉による簡単な説明を加えてあります。

 求められているのは、#MeToo運動への訳知り顔の共感や賛同ではなく、何よりもまず男性自身が男性問題を問い直してゆくことが大事。
 そして、男性と女性の間での「同意ではなくむしろ異論を。対話ではなく論争を。友愛ではなく敵対を待ち望む」態度だと。


数多の男性諸氏は、こうした書を待ち望んでいたのか?


 そして論者の結語。
 いま自分の立ち位置に迷うマジョリティ男性に待望の一冊である、と。

 ん~!?
 何となく分かるような、分からないような。
 これだけでは当然そうなのでしょうが、実際手にして読んでみても、合点がいくのはほんの一部だけと想像も。
 そして、この類の書を待ち望んでいた男性が、いかほど存在するのかというかすかな疑問も。

 というよりも何よりも、私自身は組織勤めを早々にやめたこともあり、フェミニズムとはなんぞやという疑問も未だに持ち続けながらも、マジョリティとしての女性(男性ではありません)の立ち位置を認めかつ願う一人の男性と自認。
 幸いこうした議論に正面から立ち向かう必要も、関心もなく、女性マジョリティ社会の出現を大いに待ち望み、何かしらの形で提案、応援していきたいと思っています。
 その一端は、別サイト https://2050society.com で展開しています。

気になるもう一冊『マチズモを削り取れ』(武田砂鉄氏著・2021/7/5刊:集英社)


 なお、同論述の脚注的に<もう1冊>として、以前気になったことがある武田砂鉄氏による『マチズモを削り取れ』(2021/7/5刊・集英社)が挙げられていることにも着目。
 同書共々、いずれ安い中古本が出れば入手し、読む機会が来ればと思っているのであります。



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