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「『日本の食と農の未来』から考える」シリーズ:2022年シリーズ記事紹介-1

 小口広太氏著『日本の食と農の未来 「持続可能な食卓」を考える』(2021/9/30刊・光文社新書)を、2050年の望ましい日本社会創造をめざすWEBマガジンサイト https://2050society.com の2022年最初のテーマとして取り上げ、「『日本の食と農の未来』から考える」シリーズとしました。

 昨年12月にシリーズ化し、リンクして紹介したTwitterではリツイートされるなど想像以上に注目頂いたのが、鈴木宣弘氏著『農業消滅 農政の失敗が招く国家存亡の危機』(2021/7/15刊・平凡社新書)を取り上げた農業政策考察シリーズ。
(参考)
⇒ 鈴木宣弘氏著『農業消滅』から:2021年発刊新書考察シリーズ振り返り-5 (2021/12/31)

 内容的には、これと対象的な、穏やかな論調での書でした。
 序論を含めると以下のラインアップです。
 比較を兼ねてだけではなく、総合的に日本の農政と食をめぐる安全保障を考え、問題を整理・認識し、長期的な対策立案も視野に、確認頂ければと思います。

「『日本の食と農の未来』から考える」シリーズ・リスト

序: 小口広太氏著「『日本の食と農の未来』から考える」シリーズ、始めます(2022/1/9)
第1回:グローバル・フードシステムを見直すべき時代:『日本の食と農の未来』から考える-1(2022/1/13)
第2回:増える新規就農形態と広がる有機農業の課題:『日本の食と農の未来』から考える-2 (2022/1/15)
第3回: ローカル・フードシステム、オルタナティブ・フードシステム、CSA実践・実現のための課題:『日本の食と農の未来』から考える-3 (2022/1/17)
第4回:身近な<食と農>問題を、日常と将来の安心・安全な生活と農業経営・経済の視点から考えてみる:『日本の食と農の未来』から考える-4 (2022/1/19)

著者・小口広太氏プロフィール

1983年長野県塩尻市生、千葉商科大学人間社会学部准教授
明治学院大学国際学部卒、明治大学大学院農学研究科博士後期課程単位取得満期退学、博士(農学)
日本農業経営大学校専任講師等を経て、2021年より現職
専門:地域社会学、食と農の社会学。有機農業や都市農業の動向に着目し、フィールドワークに取り組む。
日本有機農業学会事務局長、農林水産省農林水産政策研究所客員研究員、NPO法人アジア太平洋資料センター(PARKC)理事。
著書:『生命(いのち)を紡ぐ農の技術(わざ)』『有機農業大全』(ともに共著・コモンズ)など

『日本の食と農の未来 「持続可能な食卓」を考える』構成

第1章 日本の食と農のいま
1.食の海外依存というリスク
・広がる食と農の距離
・食と農のグローバル化
・脆弱化する農業構造
・すぐそこに迫る食料危機
・コロナ禍の教訓
・外国人労働者の移動規制
・気候変動が与える農業への影響
・私たちの食卓が抱える「二重の脆弱性」
2.食の海外依存が生み出す「犠牲」
・フードシステムの「工業化」と地球温暖化の促進
・「構造的暴力」への加担
・土壌の劣化
・食料の収奪
3.SDGs時代の食と農
・人類共通の目標としてのSDGs
・食と農がSDGsに大きく貢献

第2章 この時代に農業を仕事にするということ
1.変わる農業への「まなざし」
・「ネガティブ」に語られる農業
・農業に向けられる「ポジティブ」なまなざし
2.新しく農業を始める人たち
・農業の始め方
・非農家出身、農家出身の就農の形
・存在感を増す「雇用就農」と「新規参入」
・非農家出身の若い世代から期待される農業
3.独立就農したい若い世代の姿
・日本農業経営大学校を卒業後、有機農家へ:荒木健太郎さん
・地域おこし協力隊を経て、ぶどう農家へ:鈴木寛太さん
・「段階的」かつ「戦略的」な就農
・就農ルートの多様化
・地域おこし協力隊と就農の親和性
4.独立就農者の姿
・独立就農者の経営タイプ
・多層的に広がる独立就農サポート
・柔軟なサポートと受け皿づくりの重要性

第3章 持続可能な農業としての「有機農業」を地域に広げる
1.農業の近代化と有機農業の「誕生」
・近代農業への「対抗」としての有機農業
・生産者と消費者の「関係性」の創造
・「有機農業推進法」の成立という画期
・「自然共生型農業」としての有機農業
2.独立就農者から支持される有機農業
・ 有機農業から見える「希望」
・独立就農者が「選択」する有機農業
・有機農業を「選択」する理由
・有機農業というさらなる「障壁」
・有機農業への参入ルートの広がり
3.独立就農者がつくる有機農業の地域的広がり
・先駆者としての霜里農場
・研修生の受け入れと就農サポート
・有機農業と地域をつなぐローカル・フードシステム
・地域資源を活用した循環型の有機農業
・有機農業が地域を変える
4.農協による有機農業の組織的展開:茨城県石岡市八郷地区
・農協が設立した有機栽培部会
・若い独立就農者を育てる研修制度の開始
・独立就農を見据えた「実践的な研修」
・ 有機栽培部会の中心を担う独立就農者
5.有機農業を実践する独立就農者が育つ
・独立就農者が定着できる「仕組みづくり」
・独立就農者の広がりが 独立就農者を呼び込む

第4章 食と農のつなぎ方
1.生産者と消費者がつくるオルタナティブ・フードシステム
・市場流通と市場外流通
・都市化と産業化の中で生まれた「オルタナティブ・フードシステム 」
・多彩に広がるオルタナティブ・フードシステム
・IT化とSNSの発展
・生産者とつながり、食材にこだわる飲食店
・自給農業と贈与のネットワーク
2.ローカルな食と農
・ローカル・フードシステムの広がり
・農産物直売所の多彩な工夫
・生産者と消費者が交流できるファーマーズマーケット
・有機農業と地域をつなぐ
・「オアシス21オーガニックファーマーズ朝市村」:愛知県名古屋市
・未来世代を育てる学校給食
・行政と農協が広げる学校給食の地産地消:東京都小平市
・地域のつながりがつくる「6次産業化」
・伝統的な食文化を継承する「株式会社小川の庄」:長野県上水内郡小川村
3.ローカル・フードシステムがつくる持続可能な地域
・ 生産者と消費者の暮らしを守り、育む
・環境・経済・社会の循環をつくり、地域を再生する
・コロナ禍で私たちの食卓は変わるのか

第5章 食と農をつなぐCSAの可能性
1. CSAは食と農をつなぐ切り札になるか

・世界的に広がるCSA
・CSAの「コミュニティ」は何を指すのか
・「食べる通信」がつくる CSAの形
・「関係人口」を育てる
・ 「鳴子の米プロジェクト」がつくるCSAの形
・消費者から「食の当事者」へ
・「コミュニケーションが支える農業」としてのCSA
2.有機の里づくり:埼玉県小川町下里一区
・農業の戦後史
・有機農業への転換を促した「地域の6次産業化」ネットワーク
・集落ぐるみの有機農業
・有機農業を軸にした地域づくり
3.企業版CSA「こめまめプロジェクト」
・NPO法法人生活工房つばさ・游の概要
・こめまめプロジェクトの開始
・買い支えの仕組みづくり
・交流の仕組みづくり
・「こめまめプロジェクト」がつくるCSA
4.食と農をつなぐコーディネーターの役割
・コーディネーターの条件
・持続可能な社会に向けて、みんなでつくる CSA

第6章 都市を耕す
1.都市農家の新たなステージ

・「肥大化」する都市
・減少する農地と「2022年問題」
・再評価される都市農業
・「地産地消」と「市民参加」を軸にした農のあるまちづくり
2.「耕す市民」を育てる
・耕す市民という「選択肢」
・農業体験農園と市民農園
・生協と組合員がつくる農園
・神奈川県横浜市泉区・「生活クラブ・みんなの農園」
・都市農業の発展を担う「援農ボランティア」
・援農ボランティアという「経営パートナー」
・神奈川県横浜市都筑区・「都筑農業ボランティアの会」
・耕すことで変わる食と農へのまなざし
3.コロナ禍で見直される「農」の力
・耕し続けた人たち、耕し始めた人たち
・なぜ、耕す市民は増えたのか
・やぼ耕作団が実践した耕す市民
・「自給」と「つながり」を大切にする「住み続けられる都市」へ

なお、この2書以外にも、近年入手し、一読したものが何冊かあります。
これらも必要に応じ再確認するとともに、最近のマスコミ情報や関連新書情報なども参考に、長期ビジョンの構築に結びつけていくことができればと考えています。

                         (少しずつ、よくなる社会に・・・)

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